♨️ 宇奈月温泉は、黒部川の電源開発といっしょに生まれた温泉街
- 電源開発の前、黒部峡谷の奥は、集落はおろか道さえない険しい谷だった
- 1923年、発電所をつくるための資材を運ぶ軌道の工事が始まる
- 宇奈月温泉は、もとは発電所で働く人たちのための施設として始まり、お湯のみなもとは上流の黒薙(くろなぎ)温泉
- 2023年に開湯100周年。トロッコ電車は、ことしは12月6日まで走る
これまでの古地図シリーズでは、明治・昭和・いまの地図を並べてきました。ただ、宇奈月は「今昔マップ on the web」の区分に入っていなくて、明治や昭和の初めの地図がありません。そこで今回は、土地の高さを色分けした地図と、1960年代の航空写真、いまの航空写真を並べて見ていきます。
土地の高さ・1960年代・いまの写真で見る宇奈月

左の土地の高さの地図では、山にはさまれた谷の底に、宇奈月温泉の町があるのが分かります。中の1960年代の航空写真では、谷の底に町が広がっています。右のいまの写真でも、谷の底の町が見えます。
地図:地理院タイル(色別標高図・1961〜1969年の航空写真・シームレス空中写真)より作成
電源開発の前、峡谷の奥は集落も道もない険しい谷
黒部峡谷の奥は、電源開発の前、集落はおろか道さえない険しい谷でした。一方で、峡谷には江戸時代から続く温泉もありました。
1923年、黒部川に発電所をつくるため、資材を運ぶ軌道の工事が始まります。
出典:一般社団法人 黒部・宇奈月温泉観光局「水と電源開発の歴史」
発電所で働く人のための施設から、温泉街へ
| 年・項目 | 内容 |
|---|---|
| 始まり | 発電所で働く人たちのための施設として始まった |
| お湯のみなもと | 上流の黒薙温泉 |
| 温泉街の計画 | 温泉を残してほしいという地域の声を受けて、工事のあとの作業基地に温泉街をつくることが計画された |
| 1923年(大正12年) | 宇奈月温泉が開湯。上流の黒薙から温泉を引いた |
| 1937年 | 宇奈月を出発する黒部専用鉄道(いまのトロッコ電車)が、欅平(けやきだいら)まで全線開通 |
| 2023年 | 宇奈月温泉が開湯100周年を迎える |
出典:黒部・宇奈月温泉観光局「水と電源開発の歴史」/宇奈月温泉旅館協同組合「宇奈月温泉について」/国土交通省 黒部河川事務所「記者発表(令和5年8月7日)」
トロッコ電車は、ことしは12月6日まで
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運行の終わり | 2026年12月6日まで(延長) |
| 12月の運行 | 宇奈月〜笹平(ささだいら)の折り返し運転。予約は電話のみ(黒部峡谷鉄道お客さまセンター 0765-62-1011、9:00〜16:00)。当日券もある |
| 12月の運賃 | 往復で、おとな2,260円、こども1,440円(リラックス車両の料金込み)。1日4往復 |
| 注意 | 天候によって、延長の期間が変わることがあります |
| くわしくは | 黒部峡谷鉄道「2026年度 旅客営業期間の延長について」 |
これからの季節は、黒部峡谷の紅葉と、宇奈月温泉をあわせて楽しめます。
出典:黒部峡谷鉄道「2026年度 旅客営業期間の延長について」(2026年10月16日)
地図を重ねたリール動画
土地の高さの地図と航空写真を順番に重ねた動画を、富山みっけのInstagramに載せています。
さいごに
いまはにぎやかな宇奈月温泉の町も、100年ほど前は「桃原」と呼ばれた、人の住まない台地でした。トロッコ電車に乗りながら、「この線路が温泉街をつくったんだな〜」と思うと、景色がちょっと違って見えますね!
同じように、山と川の歴史を古地図で見た常願寺川の話も、あわせて読んでみてはいかがでしょうか〜!
宇奈月温泉の下流、黒部川の扇状地の話も書きました。


この記事は2026年10月27日時点の、黒部・宇奈月温泉観光局「水と電源開発の歴史」、宇奈月温泉旅館協同組合「宇奈月温泉について」、国土交通省 黒部河川事務所の記者発表、黒部峡谷鉄道の発表をもとに書いています。地図と写真は地理院タイルから作成しました。




